出典:国境なき人権、CESNUR
日付:2018年6月27日
中国における宗教選択の自由は、文化大革命以来、最悪の状況に陥っている。信仰を理由として、少なくとも150万人が刑務所、または「再教育収容所」に収容されている。6月27日に欧州議会で行われた、国境なき人権とチェコのトマス・ジェコフスキ(Tomáš Zdechovský)議員主催のイベント「宗教と信仰の自由、そして、庇護権: 中国の事例」で今回の明確なメッセージが提示された。
ジェコフスキ議員は、中国における人権の状況に対応する際にヨーロッパが及び腰になることが多いと非難し、NGO団体の欧州宗教の自由フォーラム(FOREF Europe)の事務局長を務めるアーロン・ローズ(Aaron Rhodes)博士は中国政府による宗教の自由の侵害が広まった背景を説明した。Bitter Winterの編集長、マッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)教授は中国の恐ろしい「再教育収容所」の仕組みを説明し、キリスト教主体の新興宗教団体「全能神教会」の事例を紹介した。全能神教会の信者は中国では体系的に迫害を受け、また、拷問や超法規的殺人に関する問題が複数、立証されている。国境なき人権のリア・ペレクレストク(Lea Perekrests)副局長は同団体が調査し、記録した多くの事例を示した。Bitter Winterの副編集長で、難民の宗教の自由の国際監視(ORLIR)の理事長を務めるロシータ・ショリーテ(Rosita Soryte)氏と宗教の自由における欧州宗教間フォーラム(EIFRF)のエリック・ルー(Eric Roux)局長は、明らかに中国で迫害を受けている全能神教会の庇護を希望している信者が、同団体に関する誤った情報や難民の国際協定の誤った解釈が原因でヨーロッパ諸国やその他の国々で難民認定を拒否されることがある矛盾について論じた。
国際連合経済社会理事会(ECOSOC)公認のNGO、道義心の自由における団体および個人の欧州調整(CAP-LC)のティエリ・ヴァレ(Thierry Valle)理事長は、様々な自発的なNGO、弁護士、人権活動家および学者が、中国の宣伝活動により広められた全能神教会に関する偽ニュースへり反論を開始したと述べ、最後に、これらの活動により、一部の国々では、庇護される難民が増加していると話した。大勢の出席者が詰めかけた今回のイベントは、無視することができなくなりつつある状況に対して、欧州議会の注目を求めた。