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Bitter Winter

中国における信教の自由の迫害と \n 人権に関する雑誌

Bitter Winter (日本語) - 中国における信教の自由の迫害と人権に関する雑誌。松と竹は寒中にも色褪せず、また梅は寒中に花開く。これらは「清廉潔白・節操」という、文人の理想を表現したものと認識された。
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米国務省、「逮捕、虐待、拷問」が横行する中国の宗教弾圧を非難

2019-06-27マッシモ・イントロヴィーニャ |

国務省の2019年度版「国際信教の自由」報告書は、中国に最も多くのページを割き、ウイグル族、法輪功の学習者、全能神教会の信者を含むあらゆる信仰に対する弾圧及び拷問を非難している。そして、この報告書で最も引用されていたメディアはBitter Winterであった。

マッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)

宗教を信仰する者にとって、中国は悪夢の国だ

6月21日、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官と「国際 信教の自由」のサム・ブラウンバック(Sam Brownback)担当大使が2019年版の米国国務省の「国際信教の自由」報告書の発表を行った(2018年が対象)。ポンペオ国務長官は、「少数派の宗教を信仰する者を国の安全上の脅威と見なし、監視、投獄、そして、時に死をもたらす」と指摘し、少数派の信仰をもつ者にとっての悪夢の国としてイランとともに中国の名を挙げた。

イランはムスリムではない人々を不当に扱い、一方の中国は全ての宗教を弾圧している。報告書は「5つの公認を受けた宗教のみが、制限つきで礼拝を執り行うことを許可されている」と指摘している。事実、この報告書は、中国に最も多くのページを割き、そして、最も詳細な説明を行っている。「2018年、拘留中の死亡に関する報道が継続的に行われ、信教の自由及び慣習に関する活動を理由に、登録済み及び未登録の宗教団体の信者が政府により拷問され、身体的に虐待され、逮捕され、拘留され、懲役刑を言い渡され、そして、嫌がらせを受けていた。中国では、非公認の宗教活動に参加した者は、刑罰及び行政の処罰の対象となる」と報告書は指摘している。

この報告書は、2018年、「信仰または宗教との結びつきを理由に、中国の当局が個人を死に至らしめる行為、強制失踪させる行為、刑務所内で臓器を摘出する行為に関する報道」が複数回行われたと記している。報告書は、臓器摘出の確かな証拠が揃っており、この恐ろしい行為が今も行われていることを否定する 中国共産党 の試みはプロパガンダに過ぎないと告げている。

報告書の手法: 信頼に値するBitter Winter

この報告書は、国務省の文書の伝統を引き継ぎ、それぞれの情報に対し、当該の情報を報告した情報源を挙げる手法を採用している。発言は断定的ではなく、限定的である(「警察が20人のキリスト教徒に拷問を行った」ではなく、「ニューヨークタイムズ紙は、警察が20人のキリスト教徒に拷問を行った」と記載する)。この手法を理解すると、報告書はより読みやすくなる。また、報告書も指摘しているように、国務省が二重にチェックし、信頼できると見なした情報源からのみ情報を引用している。

「国際信教の自由」報告書は信頼の置けるNGO及びそのウェブサイトの情報も引用している。アバウト・チャイナ(About china)と チャイナ・エイド(ChinaAid)は特に登場する回数が多く、20回引用されている。

ニュースメディア、そして、日刊紙及び週刊誌のなかでは、Bitter Winterが最も引用された回数が多かった。この事実は、本誌にとってこの上ない誇りである。引用回数は15回にのぼる。2位のニューヨークタイムズ紙(The New York Times)の引用回数は7回であり、大きな差があった。2018年5月に立ち上げられたばかりのBitter Winterにとっては素晴らしい結果であり、これは、間違いなく中国で活躍する勇敢な記者の努力(そして、大勢の記者の逮捕という犠牲)による賜物である。

ウイグル族及びその他のムスリム

この報告書では、ウイグル族、カザフ族 及び 新疆ウイグル自治区 のその他のムスリムへの弾圧に多くのページが割かれていた。また、新疆だけでなく 回族 のムスリムにも弾圧が行われていることにも言及していた。

報告書は「複数のメディアとNGOが2017年4月以降、少なくとも80万人から最大で200万人のウイグル族、カザフ族をはじめとするムスリムのグループ(中国の住民が大半を占める)を新疆の特別に建設した、あるいは既存の施設を転用した収容施設に勾留し、宗教及び民族を理由に強制失踪、拷問及び身体的な虐待、そして、裁判を経ずに勾留の長期化を行っていると考えている」と記している。200万人の推測は2018年に言及するものであり、別の情報ソースは2019年半ばには300万人に達したと主張している。

報告書は「勾留中に死亡した者もいる。当局は、一つには個人の宗教への執着と活動に関する情報を取得するため、とりわけ新疆で大規模且つ過剰な警備及び監視を維持していた」と指摘し、さらに「新疆の当局は画工に通う子供たちや大学生、及びその家族に対し、祈りを捧げたとして処罰した。当局はラマダンの際の絶食を含む宗教活動への未成年の参加を禁止した。政府は海外にいるウイグル族のムスリムの強制送還を模索し、帰国した者の一部を拘束した」と報告した。

報告書は、報じられた実例の中で、「2018年、当局による圧力や虐待への直接的な反応として、10人以上のウイグル族の女性が自殺を図った。報道によると、政府職員は自宅を訪れ、女性が漢族の中国人の男性と結婚しなければならないと命じ、従わない場合は親を拘束すると告げたという。この状況を回避するため、女性たちは自殺を図った」と言及した。

また、報告書は「NGO及び国際的なメディアが、宗教教育課程への参加、宗教やウイグル族の文化に関する書物の所持、イスラム教の象徴が施された衣服の着用、特定の国々への渡航等、「不安を感じさせる行動」を取っていたことを理由に新疆でムスリムの逮捕と勾留が行われていると報じた」と指摘した。さらに報告書は「中国共産党が、親を強制収容所に連行した後、子供たちを児童養護施設に収容している」と告げている。

収容施設の外であっても、新疆での生活は悲惨である。「政府は宗教過激主義者を示唆する75点の「兆候」や行動を探すよう政府職員に警告する指針を配布した。これらの兆候として、髭を伸ばしている、モスクの敷地外の公共の場で祈りを捧げている、タバコやアルコール飲料を控えている等が挙げられている」という。また、「当局は100万人以上の党職員を新疆以外の地域から派遣し、新疆の現地の家族と同居させた。(中略)さらに当局は職員に対し、同居するウイグル族に政治的な教育を行うよう命じた」と報告書は言及している。報告書によると、徐々に新疆全体が野外刑務所に姿を変えつつあるようだ。

キリスト教の家庭教会

報告書は中国共産党の管理下にある 三自教会 さえも活動を制限されていると明記している。しかし、法律の専門家の間では、2018年2月1日に施行された 新宗教事務条例 は、主に政府の管理下に置かれていない 家庭教会 を破壊し、三自教会への参加を強要することを目指すものだという意見で一致している。

報告書は「キリスト教の教会の指導者は、新宗教事務条例の施行後、監視をさらに強めており、多くの教会が通常の活動を中止せざるを得なくなったと話した。当局は、キリスト教徒の逮捕を継続し、警察による日常的な監視を可能にするためにキリスト教の教会に監視カメラの設置を求め、家庭教会の信者及びその他のキリスト教徒に棄教し、教会の会員資格を返上することを約束する文書に署名させるなどして、活動の制限を強めている。教会を閉鎖する現在進行中の運動は1年を通して行われ、また、当局は教会から十字架やその他のキリスト教の象徴を撤去した。この運動が最も集中的に行われたのは河南 省 であった」と伝えている。

報告書は成都 市 の秋雨聖約教会への広く知られている弾圧、そして、臨汾市にある信仰義認派の金灯台浸信教会の取り壊しにも言及している。また、「クリスマスの装飾の禁止、店でのクリスマスを推進する活動、クリスマスをテーマとしたイベント及び公共の場でのパフォーマンスの禁止を含む、クリスマスの祝福に関する規制が少なくとも4つの市と1つの省で行われたと報告している。そのうえ、当局は12月25日が近づくにつれ法執行と警邏を強化し、違法なクリスマスの祝福を防止していた。昆明市の警察は、ホテル、カラオケ店、インターネットカフェ及びバーを含む混雑する場所でのクリスマスの装飾、そして、クリスマスに関連する活動を禁止する通知を出していた。この通知には「クリスマスの靴下を吊るすこと、クリスマスの帽子をかぶること、クリスマスツリーを置くこと等を禁止する」と記されていた。

カトリック

「国際信教の自由」報告書2019年度版は、別の米国の文書が立証しているとおり、2018年のバチカンと中国間の同意のメリットについて懐疑的な見方をしており、引退した香港のジョセフ・ゼン枢機卿による批判を引用していた。報告書は「年末、司教の任命に関するバチカンと中国政府の決定のメカニズムに関する公式の説明は行われなかった」と指摘した。

報告書は、中国共産党を批判するカトリック教徒は継続的に逮捕され、教会は閉鎖され、取り壊されていると伝えている。カトリック教徒は中国共産党が管理する 中国天主教愛国会 に強制的に参加させられている。なお、バチカン側は合意により、参加は強制されるべきではないと主張している。

邪教

報告書は、中国では「法律が特定の宗教と宗教団体を禁止している。刑法は禁止されている団体を「カルト 団体」と定義し、このような団体に属する者への刑事処罰及び終身刑を含む刑期を規定している。指定等の決定の基準または異議申し立ての手順は公表されていない。国家安全保障の法律が明確に「カルト団体」を禁止している。中国共産党は、法輪功 運動やその他の同様の団体を排除するための超法規的な、党が運営する保安機構を維持している」と指摘している。

政府は法輪功、観音法門、そして、中功(気功の流派)の禁止を続けている。もはやキリスト教徒でいることは、邪教 の指定に対する防御としては不十分である。なぜなら、全能神教会のように、急速に拡大した団体は、それゆえに共産党への脅威とみなされるからである。「政府は 呼喊派、全能神教会(東方閃電と呼ばれることもある)、門徒会、全範囲教会、Spirit Sect、新約教会、三班僕人、ディサイプル協会(Association of Disciples)、ロード・ガッド宗教団体(Lord God religious group)、創立王教会(Established King Church)、世界平和統一家庭連合、愛の家族、華南教会を含む複数のキリスト教団体を「邪悪なカルト」と見なしている」と報告書は伝えている。また、報告書は邪教を「邪悪なカルト」と翻訳しているが、この訳語は中国共産党が英語の文書で用いるものだ。ただし、大半の研究者は「異端の教え」の方が訳語として正確だと主張している。

さらに、この報告書は、中国では反カルトのプロパガンダの強力な手段と虚偽報道が邪教に指定された団体に対して行われていると指摘している。例えば、「3月17日、広州市の花都区の政治及び法律委員会は、紅山村で現地の生徒を対象とした反カルト団体のイベントを開催していた。イベントの終了後、大勢の学生がいかなる「カルト」団体からも距離を置くことを誓い、反カルトのサインの壁に名前を書いた」という。「同様に、4月、福建省漳浦 県 の政府と漳州市の司法部は現地の公園のデザインを変更し、反カルトのテーマを加えた。第19回全人代及び関連する反カルトの法律を推進し、「カルト」の影響の認識を高めることが狙い」であった。

全能神教会

中国で勾留されている宗教の信者の中で、圧倒的多数を占めているのはイスラム教徒である。一方、この報告書では、単一の宗教団体として最も弾圧を受けているとして、全能神教会の名前を挙げている。報告書は「全能神教会は、当局が2018年の1年間で1万1,111人の信者を逮捕したと報告した」と言及している。2位の法輪功の逮捕者は9,000人であった。さらに「全能神教会は、当局が数百人の信者に「拷問や強制的な教化」を実施したと報告した」と加えている。複数の実例が報告されている。「貴州の当局により3月に逮捕された全能神教会の信者が、拘留中に死亡した(罪状は不明)。当局は匿名の人物が首吊り自殺をしたと告げたものの、家族に遺体を見せることを拒否した。政府の職員は遺族に対して、政府は、死亡した人物が信仰するキリスト教の教えを認可していないと伝えた。遺族が自殺の判断を疑問視すると、当局は失業及び子供たちの大学への進学の拒否をちらつかせ、遺族を脅した」という。

別の実例では、「全能神教会は、4月に中国共産党の警察が極秘で信者を逮捕し、そのうちの1人を25日にわたって拷問したと報告している。この信者は頭蓋骨に重い損傷を負い、数ヶ月後に死亡した。また、全能神教会によると、6月27日、2人の信者が逮捕され、そのうちの1人が7月2日に朝陽市 拘留所 で「弾圧の末に命を落とした」」という。

そして、「8月には、全能神教会の状況を定期的に報告している国際的なNGOの 人権 及び新疆の自由を保護する協会(Association for the Defense of Human Rights and Religious Freedom)が、4月から8月にかけて 直轄市 の重慶市の当局が109人の信者を拘留し、そのうちの40人は年末の段階で行方不明であったと報告した」という。

「全能神教会は全体で2018年の1年間で525人の信者が「拷問または強制的な教化」を受けたと報告している。また、同団体は、拘留施設で「拷問と虐待」を受けた後、流産した信者がいたことも明かしている。」

法輪功

法輪功は隠れて活動せざるを得ない状況にあるにも関わらず、今でも中国で際立つ存在感を放っており、弾圧を受け続けている。報告書は複数の実例を紹介している。

その一人、法輪功の学習者の葉国華(イエ・グオフア)さんは、逮捕され、「建甌拘留所に連行された。葉さんの家族は、この拘留所で、法輪功で活動したことを理由に葉さんが残忍な拷問を受けたと考えている。[2018年]9月8日、葉さんは、当局が言うには突発的な急性疾患を患い、病院に搬送された。当局は家族に一時的な面会を許可し、家族は葉さんが意識不明であり、身体が腫れ上がっていると報告した。3日後、葉さんは死亡した。現地の法輪功の学習者は拘留所に電話をかけ、葉さんに何が起きたのかを尋ねた。すると、電話に出た職員は「死亡したので何もすることはできない。この件に関する問い合わせは、自分の首を絞めることになる」と答えた」という。

報告書は、カナダのグローブ・アンド・メール(Globe and Mail)紙を引用し、「同紙は、18ヶ月間の公判前の拘留期間において、当局が北京で法輪功の学習者のカナダ国民を拷問したと報じた。拘留中、当局は当初この女性に食事と水を与えず、その後、床に押し倒し、胡椒を振りかけた。警察は2017年2月に「カルトを組織または利用し、法執行を弱体化」した罪で逮捕していた。逮捕後、夫は全ての財産と株式を自分の名義に変更していた。カナダ国籍を持つこの学習者は夫が警察に通報したと考えている。

チベット人の仏教徒及びその他の仏教徒、道教の信者

報告書はBitter Winterを引用し、仏教及び 道教 の仏像と寺院の大規模な取り壊しが行われたと伝えた。また、中国共産党がチベットの化身ラマを管理するべきだという奇妙な主張にも触れている。報告書は「ラマの地理的な影響力によっては、担当する行政機関が、ラマが化身ラマとして認識されることを拒否することができ、ラマは当該の機関に化身を認めてもらう必要がある。国務院は「とりわけ影響力の強い」高位のラマの化身の認定を拒否する権利を持っている。また、海外の組織や個人は化身ラマの選定に関わることができず、全ての化身ラマは中国国内で生まれ変わることを義務づける規定が存在する。中国政府は、公式に認められた化身ラマの登録を管理している」と伝えている。

全体的にチベットの状況は悪化している。中国共産党は「チベットの僧侶と尼僧に対し、国の思想に関する政治的な研修への参加を強要している。また、政府の方針により、僧侶と尼僧は、宗教の学習で優秀な成績を収めることに加え、「政治的な信頼性」、「一般市民に影響を与える道徳上の品位」、そして、「重要な時期において積極的に役割を果たす」意欲(共産主義においては「中国共産党を支える」を意味する)を行動で示すことが義務づけられている。

「2009年以来、150人以上のチベット人が、中国の占領及び中国の支配下でのチベットの宗教と文化に関する人権侵害を訴え、焼身自殺をしている。メディアの報道によると、12月8日または9日に16歳ゲンドゥン・ギャツオ(Gendun Gyatso)さんが四川省のチベット族 自治州 にあるアバ県で焼身自殺を図り、その後、負傷が原因で死亡したという。メディアは、12月8日、アバ県で若いチベット人男性のドラクホ(Drugkho)さん(法名はチョエキ・ギャツオ)が「ダライラマ万歳」と叫び、焼身自殺をしたと報じている。一部のニュースは、ドラクホさんが助かった可能性があると伝えていた。報道によると、ゲンドゥンさんもドラクホさんもキルティ僧院の僧侶だったようだ。ウェブサイトのチベットサン(Tibet Sun)によると、11月4日、アバ県で若いチベット人のドポ(Dopo)さんが「ダライラマ万歳」と叫びながら焼身自殺を図り死亡したという。また、3月7日には、アバ県メルマ郷で40代の男性のトセクホ・トゥグチャク(Tsekho Tugchak – Topchagとも記されている)さんが「ダライラマ猊下万歳、チベットに自由を」と叫び、焼身自殺を図った。トセクホさんの遺体が安置されている場所は不明である。アバ県ではキルティ僧院の僧侶による焼身自殺が以前も発生していた」と報告書は強調した。

チベットでは「信教や宗教の活動を理由とした強制失踪、拷問、恣意的な逮捕、そして、身体的な虐待に関する報告が多数存在した。報告書は「チベット 自治区 の再教育施設で行われた拷問と性的虐待に関するチベット人の僧侶の話」に触れている。僧侶は「[軍事]訓練中、多くの尼僧が気を失います。時折、職員が意識を失った尼僧を部屋に連れ込み、尼僧の胸を触ったり、全身をまさぐったりしている場面を目撃しました」と述べた。また、この僧侶は、一部の受刑者が「選ばれ、気を失うほど電流バトンで激しく殴打されていました。その後、顔に水をかけて意識を戻していました。職員は気を失わせ、意識を戻すサイクルをしばらくの間続け、最終的に黒いプラスチック製のパイプを使って殴打し、全身に水をかけ、続いて電流バトンでさらに殴打します。すぐに受刑者の身体には青黒い殴打の跡が現れ、瀕死状態になります」と指摘した」という。

難民: 韓国

報告書の他の国々に関するセクションは中国にとって興味深い内容となっている。なぜなら、難民認定の希望者を取り巻く状況の悪化、そして、宗教弾圧により逃亡した者を含む難民に対する全般的な敵意に触れているためだ。この一般的な問題では韓国が取り上げられている。韓国では、法輪功や全能神教会に所属する中国人の難民が緊迫した状況を迎えているものの、報告書は残念ながらイエメンからの難民のみに言及していた。

興味深いことに、報告書は韓国の主流のキリスト教徒が、「異端」視するキリスト教の団体の信者を弾圧しており、誘拐し、暴行を加えることすらあると言及している。報告書は「1月、カルトと見なされている団体から、自分たちが所属するキリスト教の宗派に娘を強制的に改宗させようとした両親が娘を殺害したニュースが報じられた後、12万人の市民がソウル等に集まり、強制的な改宗に反対する抗議活動を行った。報道によると、一部のキリスト教の牧師がこの抗議活動を主導したようだ。抗議活動の参加者は、この問題に関して沈黙を続ける政府と教会を批判し、行動を起こすよう求めた」と指摘している。

なお、報告書では言及されていないものの、同様のキリスト教徒による「異端狩り」集団は、法輪功及び全能神教会に対する中国共産党の弾圧を積極的に支持しており、韓国内で亡命者に嫌がらせを行っている。

最終更新:2019年7月9日

タグ : アメリカ合衆国, 人権, 宗教弾圧

マッシモ・イントロヴィーニャ

マッシモ・イントロヴィーニャ氏(Massimo Introvigne、1955年6月14日、ローマ生まれ)はイタリア人の宗教社会学者です。新宗教の研究者の国際的なネットワーク「Center for Studies on New Religions(新宗教研究センター: CESNUR)」を設立し、理事長を務めています。イントロヴィーニャ氏は宗教社会学の分野で70冊の著書と100本以上の論文を発表してきました。Enciclopedia delle religioni in Italia(イタリア宗教百科事典)の主要著者の1人でもあります。また、イントロヴィーニャ氏は、Interdisciplinary Journal of Research on Religion(宗教研究の学際的ジャーナル)の編集委員であり、カリフォルニア大学出版による「Nova Religio」の理事でもあります。2011年1月5日~12月31日にかけては、欧州安全保障協力機構(OSCE)の「キリスト教徒およびその他の宗教の信者への差別に着目した、人種差別、排外主義、差別の根絶活動の代表者」を務めました。そして、2012~15年には、世界規模での信教の自由に関する問題を監視するために、イタリア外務省が設置した「信教の自由の監視」委員会の議長を務めました。

http://www.cesnur.org/

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