法輪功の信者であるために拘禁されている無実の人々の臓器が、強制的に摘出されていることを否定して、「中国の言いなり」となっていると非難されているグリフィス大学(Griffith University)の講師が取り調べを受け、海外渡航を禁止されました。この講師はすべての罪状を否認しています。
オーストラリアのメディアは、グリフィス大学でビジネスおよびアジア研究学部の上級講師であるキャンベル・フレイザー(Campbell Fraser)博士が、取り調べを受けており、「グリフィス大学から海外渡航とメディアとの接触が禁じられている」と報じています。臓器移植市場で販売するため、拘禁中の法輪功信者から、悪名高い「臓器の強制摘出」が行われたことはない、またはもう行っていないと主張するために、中国当局が世界中で展開しているキャンペーンを、フレイザーが支援しているとして捜査を受けています。
フレイザー博士の専門は、ビジネスとアジア研究であり、臓器移植ではありません。オーストラリア連邦議会による人間の臓器売買や臓器移植ツーリズムに関する審理中、法輪功側の代表者は、この審理で証言しているフレイザーが「過去2年間に、ローマ、武漢、香港、昆明の会議に出席し、まるで臓器売買の専門家になったよう」であり、「フレイザーは中国メディアから非常に多くの記事を引用しており、極めて中国政府寄りの臓器移植に関する発言や法輪功を批判する発言を繰り返している唯一の人物である」と指摘しました。
「中国の言いなり」と非難され、オーストラリアの医療倫理学者から批判されているフレイザーは、これまで2回行われた捜査では問題が認められておらず、中国渡航中の旅費と宿泊費は、中国が支払ったことは認めつつ、中国共産党に買収されていることは否定しました。
グリフィス大学は、このオーストラリア人に「本学は、研究者が自らの専門分野を公の場で話す権利を支援していますが、法輪功はフレイザー博士の専門外です。従って、大学は根拠のない、または別の組織や個人への中傷となる可能性がある研究のコメントを一切支援しません」と述べています。
フレイザーは人間の臓器売買や臓器移植ツーリズムに関するローマ教皇庁科学アカデミーの2018年のサミットに招待された1人で、この件はバチカンを辱める可能性があります。フレイザーは中国共産党の機関紙であるチャイナデイリー紙(China Daily)からサミットへの出席についてインタビューを受けていることに加え、法輪功は「超能力を持つ1人の人間を信じているため、カルトの基準を満たす」と述べ、中国による強制的な臓器摘出を否定する立場を継続的にとっています。フレイザーが、臓器移植や医療倫理に加え、「カルト」の専門家になった時期は明らかにされていません。
Bitter winterは、審理の結果が出るまでフレイザー博士の件について中立な立場を保ちますし、フレイザー博士の仕事上の誠実さについて疑う理由もありません。しかし、中国共産党は、法輪功など禁止されている宗教集団に否定的な立場をとる研究者に、多額の金銭を支払っている、という不快な報告を常に受けていることを報告しておきます。
出典: チャイナデイリー紙の記事「ローマ教皇庁科学アカデミーに出席したオーストラリア人」