宗教を信仰する教員と学生が懲罰を受ける
中国では大学を含む教育機関の教員に「社会主義の後継者」を育てる使命が与えられており、軍、共産党党員、公務員のように「党の教育理念に忠誠を誓う」ことが求められている。当然、宗教の信仰も禁じられている。宗教の教えに従うか、または、中国共産党に忠誠を誓うかの二者択一を迫られ、宗教を選んだ者には停職、除籍、生涯にわたる弾圧等の重い代償が与えられている。
実録
合法的に所有する農家の土地を政府が強制的に収用
地方経済の発展を目指した政府の政策に従い、中国全域で、果物や野菜を栽培するビニールハウス、そして、家畜飼育のための施設に農家は資金を投じてきた。しかし、2019年に入ると政府は「耕作に適した土地に戻す」ことを理由に、強制的に農家のビニールハウスや家畜飼育施設を取り壊し始めた。農家は莫大な金銭的損失を被り、破産する者さえいた。
「政治的に適切」でも弾圧される仏教寺院
河北省唐山市轄の銭営鎮に建つ拿馬寺は、2014年9月以来、中国の革命の殉死者を記念する行事を毎年行い、幅広いメディアの関心を集めてきた。過去5年間は『唐山晩報』や河北テレビ、その他の国営メディアで繰り返し取り上げられ、「党を支持し、国を愛する」模範例とみなされてきた。現在、この寺院も迫害や弾圧を受けているのだ。
カトリック教徒の内モンゴル巡礼が妨害される
内モンゴル自治区の重要なカトリック巡礼地、磨子山は長い間、中国各地から信者を集めてきた。しかし、国内で行われている宗教一般の取り締まりが厳しくなるにつれ、信者がこの聖地を訪れて礼拝することはますます難しくなっている。政府は許可証を発行せず、道路を封鎖し、数百人の警察官を派遣して信者を管理するなど、毎年恒例の磨子山の巡礼を妨害している。
中国の宗教であるはずの道教の老子像、「宗教政策」に違反したとして隠される
江西省吉安市轄の安福県にある国家AAAA級指定の景勝地、羊獅幕の武功山には、福建省の有名な彫刻家、王荣海氏が製作したものとされる老子の顔が掘り込まれている。2018年2月に新宗教事務条例が施行されて以来、五つの公認宗教の1つである道教に対する弾圧も強まっており、同年10月、この老子の顔は隠されることになった。
全能神教会の信者が警察に拘束されて死去
信仰を理由に逮捕された30歳の任翠芳さんが拘束12日目に亡くなった。傷だらけの彼女の遺体を目にした家族は拷問により死亡したのではないかと考えている。
浙江省の「三改一拆」キャンペーンの一環として複数の寺院を「違法建築」扱いで解体
2013年に「三改一拆」というキャンペーンがはじまって以来、浙江省の地域内では数百の教会と寺院が破壊されてきた。仏教や道教の礼拝所は、政府がでっち上げの理由で推し進めている宗教の取り締まりの犠牲になっている。
宗教弾圧の巻き添えの犠牲者
中国では、信仰を理由に死に至るほどの拷問が数多く行われているが、中には信仰のない人生よりも死を選ぶ人、迫害から逃げようとして死亡した人たちもいる。
中国共産党が民間信仰の風習を非合法化
中国では、良いことが起こってほしいと期待して献金や捧げ物をしたり、祈ったりした場合、当局による「封建的な迷信の排除」の取り組みの一環として処罰される。無神論主義の中国共産党にとって、宗教は「封建的な迷信」の遺物でしかない。古来からの民間風習も例外ではない。
合法であり、認可を受けたプロテスタント教会を政府が閉鎖し、略奪する
中国共産党は、「宗教事務條例」を違反し、国が発行した宗教活動の許可を軽視して、教会を弾圧している。教会の信者が法律を根拠に権利を守ろうとしても無益であり、逆に政権側から法律を根拠に迫害されている。
スパイ行為を求められる全能神教会の信者
中国の警察は、宗教団体の信者を脅して工作員に仕立て上げ、宗教弾圧を逃れて海外に移住した人々に関する情報を集めさせている。ある全能神教会の中年の信者がBitter Winterに明かしたところによると、海外の全能神教会の信者に関する情報を集めるため、潜入捜索官として仲間の信者にスパイ行為を行うことを警察から求められたようだ。
エホバの証人の宣教者が虐げを受けて中国を去る
「いろいろなところに行きましたが、中国ほどひどい迫害に遭ったことはありません。どこに行っても監視カメラがあるのです。個人の自由が一切ありません」。Bitter Winterの取材に対し、韓国から来たエホバの証人の長老はこう言った。彼は伝道に力を尽くそうと10年以上前に山東省に来た。今年、祖国に戻ることを決意した。
