当局は子供たちが信仰する宗教の情報を収集し、学校や幼稚園の教員に、授業中に中国共産党のプロパガンダを取り入れるよう強要している。
2018年5月、内モンゴル自治区フフホト市の120人近い小学三年生の児童が、現地の「説諭教育所」に送られ、宗教を否定するの教育を受けた。
この施設の職員は、宗教に敵対心を抱かせるために、暴力的な内容の映像が含まれる映像をみてもらい、子供たちにプロパガンダ用の冊子を配り、暗記するよう伝えた。さらに宗教をもつ知り合いを報告するよう促された。
子供たちは恐怖と不安を覚えながら、言われたとおりにした。ある児童の親は「息子は帰宅するなり宗教を否定する冊子を何度も読んでいました。こういった教材が息子に悪い影響を与え、物事を誤って捉えるようになるのではないかと心配です」と話した。
フフホト市の別の小学校では、全てのクラスで宗教を非難するミーティングを行うように命じられた。このミーティングでは教員が、プロテスタントやカトリック、その他の信仰は邪教(異端の教え)であると児童に話した。あるクラスでは、教員は幼く、感受性の強い児童たちに宗教や信仰を冒涜する言葉を吐かせていた。
しかし、中国共産党政権の宗教を否定するプロパガンダはこれだけではない。中国は全ての子供たちの宗教の状況を登録しつつある。
9月下旬、遼寧省の鞍山市のある中学校で、教員がSNSのWeChatのグループメッセージ機能を使い、生徒の保護者に宗教や信仰に関する警告を発していた。この教員は、学校の教員、聖と、保護者の宗教の状況を尋ねた統計調査の一覧表をアップロードした。さらに、この教員は、信仰を実践することは次の学年に上がる可能性、結果的には生徒の将来に影響を与えるかもしれないと告げていた。
同様に鞍山市の幼稚園の教員も子供たちに無神論を教えこむことを要求し、宗教の象徴が記された衣服の着用、宗教の引用句の読み書き、宗教関連の放送を聴く行為、信仰の場への寄付等、宗教的な活動への一切の参加を禁じる手紙を保護者に送っていた。保護者は、手紙に署名して返信することで、メッセージを受けとったことを知らせなければならなかった。
このような極端なプロパガンダの実施は、人道に反するだけでなく、中国も署名した国連の子どもの権利条約第14条に違反する。この条約は「締約国は、思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利を尊重する。締約国は、児童が1の権利を行使するに当たり、父母及び場合によっては法廷保護者が児童に対しその発達しつつある能力に適合する方法で指示を与える権利及び義務を尊重する」と規定している。
古奇による報告