陝西省榆林市では、地元警察が夜間に繰り返し集会所の手入れを行い、教会の財産を略奪しています。最長5年の懲役刑に科された信者もいます。
榆林市にある、この信徒たちの場所は宗教団体「インナー・ライフ(Inner Life)」の集会所でした。中国共産党による迫害を受け、信者は表向きは介護施設となっている2階建ての建物で人目を忍んで集会を行っていました。2013年2月3日、榆林市子洲県の地元警察が建物の警備システムを取り外し、ドアの鍵をのこぎりで外し、捧げ物、テレビ、VCD、録音機、ウォーターサーバー、発電機、食器、食品に至る教会のすべての財産を押収しました。
ある信者は、警察が教会の手入れを行うのは初めてではなく、鍵を何度取り替えても、そのたびに警察がのこぎりで切り落とすと言いました。
直近の手入れの後、教会の資産を返却してもらうために、教会の信者である張尋(チャン・シュン)さんと馬健(マ・ジャン)さん(共に仮名)が警察署に行きました。警察署長が押収物の返却を却下すると、張さんは「日本軍が中国に侵攻したときでさえ、ここまでひどくはなかった」と言ってしまい、警察署長を激怒させ、「公務員へ襲撃」を行ったとして65歳の張さんを逮捕し、スイデ刑務所に移送し、2年間拘禁しました。一緒に警察署に行った馬さんは気付かれないようにこの様子を撮影しようとして逮捕され、17ヶ月拘禁されました。
2人が違法に拘禁されている間、家族は弁護士を雇ったり、マスコミに訴えたりしようとして、2人を助けようとしましたが、この件を引き受ける弁護士はいませんでした。警察は馬さんに、弁護士を雇うことを邪魔して、判決を下さないようにしてやる、つまり弁護はできないんだと言いました。この事件の審理中、警察は馬さんの罪を捏造し、木製スツールで警官を襲撃したと証言しました。裁判所は「公務員へ襲撃」を行ったとして、2.5年の懲役刑を下しました。張さんは「法律の執行を弱体化させた」として、5年の懲役刑が下されました。
警察との口論をそばで見ていただけで、一言も言わなかった傍観者が「公務員へ襲撃」を行ったという同じ罪で2年の懲役刑を受けたと、その様子を目撃した人が報告しています。
張さんと馬さんはそれぞれの刑を終え釈放された後も、中国共産党により監視され続けています。2017年12月、馬さんは香港に行こうとしましたが、当局により、前科があるため、中国本土を出ることはできないと告げられました。
これらすべての出来事により、教会での集会はできなくなりました。かつて教会として使用していた建物はいまだに誰も使用しておらず、庭は雑草が生い茂っていますが、中国共産党はこの場所の監視を続けています。2018年5月、子洲公安局の警察がこの集会場所に行き、建物全体を取り壊すと脅しました。現場を調査中、庭に足跡を見つけ、近隣住民にこの場所で集会があったのかを尋ねました。地域住民は、Bitter Winterのレポーターに、警察がまだこの付近をしっかりと監視しており、数日おきに確認に来ているため、この教会の建物には近づかないほうが良いと警告してくれました。
姚長進による報告