• Skip to main content
  • Skip to primary sidebar
  • Skip to footer
  • ホーム
  • 論説
  • ドキュメント
    • イベント情報
  • インタビュー
  • ニュース
  • 実録
  • トピックス
  • 特集
  • 写真・映像
    • 写真
    • 映像
  • 本誌について
    • 編集委員会
  • 用語集

Bitter Winter

中国における信教の自由の迫害と \n 人権に関する雑誌

Bitter Winter (日本語) - 中国における信教の自由の迫害と人権に関する雑誌。松と竹は寒中にも色褪せず、また梅は寒中に花開く。これらは「清廉潔白・節操」という、文人の理想を表現したものと認識された。
ホーム / ニュース

ダライ・ラマ、クリスマスのインタビューで重要な発言を行う

2018-12-29マッシモ・イントロヴィーニャ |

テンジン・ギャツォ、ダライ・ラマ14世(Christopher Michel – CC BY 2.0)
テンジン・ギャツォ、ダライ・ラマ14世(Christopher Michel – CC BY 2.0)

ダライ・ラマは、ヒンドゥスタンタイムズ紙とのインタビューで、第15代のダライ・ラマがいかに誕生するのか、あるいは空位になる決定がどのように下されるのかを説明した。

マッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)

2018年12月25日、ダライ・ラマはヒンドゥスタンタイムズ紙のインタビューに応じた。 このインタビューは中央チベット政権のウェブサイトに掲載され、より大きな影響力をもつことになった。

現在の第14代ダライ・ラマ(84)は、健康状態の悪化から、訪米およびトランプ大統領との会談を取りやめていた。しかし、放射線治療を受け、前立腺がんの治療には成功した。ダライ・ラマは、複数の国から訪問を拒否されたことを特に心配していないようにみえた。また、このインタビューでは、中国政府からの連絡はなく、「時々中国の引退した高官や実業家の方々がお見えになるといった非公式のルートしかありません」と明かしていた。鄧小平(1904–1997)と江沢民が主席を務めていた頃に存在していた、半ば公の接触ルートは消滅しているようだ。

このインタビューの最も重要なポイントは、第15代のダライ・ラマが誕生するのかどうか、誕生する場合はどのように選ばれるのかに関する説明であった。ダライ・ラマの発言の背景には、過去数十年間の多数の発言と著述がある。そこで、ダライ・ラマは、後継者の誕生が確かではないこと、そして、中国政府が2007年に成立させた法律により、転生するチベットのラマを決定する権利、および、転生を特定する方法を決定する権利を(奇妙にも)中国政府が留保することを説明した。

第14代ダライ・ラマは、インタビューのなかで過去の教義に関する記述において説明してきた、自らの信念に関する立場を繰り返し強調してきた。この立場は一般にはあまり知られていない。数百人、もしくは数千人ものチベットとモンゴルのラマが転生の系統に属する。ダライ・ラマは、高位のラマは死亡する前に、後継者にその存在を転移させることが可能である点(この場合、転生というよりも「発出」を意味する)、そして、ラマが数名の者に転生することもあれば、誰にも転生しないこともある点を繰り返し述べた。基本的には、そのときのラマ本人次第である。

インタビューのなかで、ダライ・ラマは三点の重要な発言を行った。一点目の重要な発言は、二人のパンチェン・ラマ(パンチェン・ラマには、国外のチベット人が認定したパンチェン・ラマと 中国共産党 が認定したパンチェン・ラマがいるが、国外のチベット人が認定したパンチェン・ラマは1995年、6歳のときに中国共産党により勾留されて以来、その存在は人目に触れていない)に加え、二人の敵対するカルマパ・ラマが存在する事実に関する見解である。カルマパ・ラマはチベット仏教カギュー派の最高位の僧であり、パンチェン・ラマはゲルク派のダライ・ラマに次ぐ高位の僧である。ダライ・ラマは「19世紀のある高僧は5回転生しました。第16代のカルマパ・ラマが数回転生する可能性はありますが、カルマパ・ラマの称号を得る僧は一人であるべきです」と指摘した。しかし、ダライ・ラマは、政治的な理由により、この教義の主張にこだわるべきではないと提言されたことを明かした。ダライ・ラマは「一部のグループから、複数回の転生の可能性について話すべきではないと言われました。そこで私は「了解しました。これからは口を慎みます」と答えました」と述べた。

二点目の重要な発言は、第15代ダライ・ラマが誕生しない可能性についての発言だ。ダライ・ラマはゲルク派がチベットの政治の実権も握っていたときに必要とされた。「私は1969年から、ダライ・ラマの制度を継続すべきかどうかを決めるのはチベット人だとはっきりと言ってきました。決断を下すのは彼らです。私ではありません。第5代のダライ・ラマのときから、この称号の保持者は日常実務と宗教実務の代表者でした。2001年以降、私は堂々と、自主的に、そして、喜んで政治的な役割を放棄してきました。私たちは既に政治的な指導部門(ダラムシャーラーの中央チベット政権)を選出しており、彼らが日常的な実務の全責任を負っています。私は2011年に完全に引退したのです」と述べたダライ・ラマは、笑いながら「私の考えは、より正統派の中国人の考えと比べ、進歩的です」とつけ加えた。中国共産党は別のダライ・ラマを(当然、中国共産党自身が)特定するべきだと考えている。

三点目の重要な発言は、中国共産党が第14代ダライ・ラマの転生として選んだ第15代ダライ・ラマは信憑性に欠けると力強く語ったことだ。ダライ・ラマが死亡する前に、この転生が行われるかどうかの判断は本人だけではなく、中国共産党に支配されている者を除く、チベットおよびモンゴルのラマと一般の指導者たちで行われる。事実、ダラムシャ-ラーで行われる予定であった第13回チベット仏教の宗派およびボン教代表者会議は、このプロセスの重要な一部分であったものの、延期されていた。ダライ・ラマは、延期の理由を「一名の重要なラマ(ニンマ派のカトクゲツェ・リンポチェ代表)が急逝したためです。喪に服する期間であったため、会議を延期しなければなりませんでした」と説明し、敵対する2人のカルマパ・ラマが共存する状況とは無関係だと説明した。さらに、ダライ・ラマ自身と中央チベット政権との間の見解の違いも否定した。

タグ : チベット仏教, 中国共産党, 宗教弾圧

マッシモ・イントロヴィーニャ

マッシモ・イントロヴィーニャ氏(Massimo Introvigne、1955年6月14日、ローマ生まれ)はイタリア人の宗教社会学者です。新宗教の研究者の国際的なネットワーク「Center for Studies on New Religions(新宗教研究センター: CESNUR)」を設立し、理事長を務めています。イントロヴィーニャ氏は宗教社会学の分野で70冊の著書と100本以上の論文を発表してきました。Enciclopedia delle religioni in Italia(イタリア宗教百科事典)の主要著者の1人でもあります。また、イントロヴィーニャ氏は、Interdisciplinary Journal of Research on Religion(宗教研究の学際的ジャーナル)の編集委員であり、カリフォルニア大学出版による「Nova Religio」の理事でもあります。2011年1月5日~12月31日にかけては、欧州安全保障協力機構(OSCE)の「キリスト教徒およびその他の宗教の信者への差別に着目した、人種差別、排外主義、差別の根絶活動の代表者」を務めました。そして、2012~15年には、世界規模での信教の自由に関する問題を監視するために、イタリア外務省が設置した「信教の自由の監視」委員会の議長を務めました。

http://www.cesnur.org/

あわせて読みたい

  • 従順な「共産主義の後継者」を幼少時から育成

    従順な「共産主義の後継者」を幼少時から育成

  • 中国共産党が宗教の出版物の管理を強化

    中国共産党が宗教の出版物の管理を強化

  • 芸術的価値の高い石仏を破壊

    芸術的価値の高い石仏を破壊

  • 欧州がナチスと共産主義を同一視: 共産主義の中国は?

    欧州がナチスと共産主義を同一視: 共産主義の中国は?

おすすめ

  • 中国の警察「外国の教会への参加は党への裏切り行為」
    中国の警察「外国の教会への参加は党への裏切り行為」

    中国で活動する外国の宗教団体に対して、現政権は厳しい取り締まりを行っており、大勢の信者が棄教を迫られ、最終的に自由を失う者もいる。逮捕された信者の一人によると、取り調べ中、警察は「宗教の信仰は事実上党を裏切り、敵へ鞍替えする行為に当たるため、工作員と同じだ」と言った。

  • 香港との同盟を妨げるため、カトリックの良心による反対者の弾圧を強化
    香港との同盟を妨げるため、カトリックの良心による反対者の弾圧を強化

    香港の民主主義を推進するデモによってカトリック教徒が愛国教会加入を拒む機運が高まるのを恐れ、中国共産党は規制措置を広めている。

  • 真イエス教会:中国のペンテコステ派団体
    真イエス教会:中国のペンテコステ派団体

    メリッサ・イノウエ(Melissa Inouye)氏は、1917年に設立され、1950年代に激しい弾圧に晒されたペンテコステ派の教会が歩んだ道のりを記した学術書を出版している。三自教会への加入を受け入れたこの教会は、現在、再び危機に瀕している。

  • 習近平主席がネパールで敗北を喫して脅迫「反対者は粉砕する」
    習近平主席がネパールで敗北を喫して脅迫「反対者は粉砕する」

    チベット難民の中国送還を目的とした犯罪人引渡し条約の調印をヒマラヤの王国が拒否したため、中国の主席は怒りをあらわにした。

  • 宗教を信仰する教員と学生が懲罰を受ける
    宗教を信仰する教員と学生が懲罰を受ける

    中国では大学を含む教育機関の教員に「社会主義の後継者」を育てる使命が与えられており、軍、共産党党員、公務員のように「党の教育理念に忠誠を誓う」ことが求められている。当然、宗教の信仰も禁じられている。宗教の教えに従うか、または、中国共産党に忠誠を誓うかの二者択一を迫られ、宗教を選んだ者には停職、除籍、生涯にわたる弾圧等の重い代償が与えられている。

  • 観光名所である四川省凌雲山から芸術の価値の高い仏像が消える
    観光名所である四川省凌雲山から芸術の価値の高い仏像が消える

    中国南西部、四川省南充市に位置する凌雲山は国家4A級の景勝地で、仏教と道教の巡礼地でもある。屋外のいたるところに数千の宗教関連像や岩壁の彫像が見られる。しかし最近、宗教撲滅運動の一環として、中国共産党は芸術的価値の高いこれらの宗教的シンボルをすべて覆い隠した。そのために少なくとも800万人民元(約1.2億円)を費やしたと報じられている。

Primary Sidebar

BITTER WINTERへの支援

* 日本ではまだpaypalによる支払いが準備されていないため、クレジットカード、またはその他の方法でのみのお支払いをお願いしております。ご不便おかけして申し訳ございません。

詳しくはこちら

英語版公式SNSアカウント

アーカイブ

  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月

ニュースレター

電子メールで雑誌を毎日配信(無料)

* indicates required
言語を選択する

Footer

スクープ速報
スクープ速報

編集委員会

編集長

マッシモ・イントロヴィーニャ(MASSIMO INTROVIGNE)

担当理事

マルコ・レスピンティ(MARCO RESPINTI)

住所

CESNUR

Via Confienza 19,

10121 Torino, Italy,

電話番号: 39-011-541950

アーカイブ

英語版公式SNSアカウント

関連リンク

Copyright © 2022 · Bitter Winter(日本語) · プライバシー方針と利用規約

当社のウェブサイトではCookieを使用して、お客様の好みと繰り返しアクセスすることを記憶することによって、最も関連性の高いエクスペリエンスを提供します。 「同意する」をクリックすると、すべてのCookieを使用すること同意したことを示します。
.
続きを読む 設定する
拒否する同意する
Cookie

Privacy Overview

This website uses cookies to improve your experience while you navigate through the website. Out of these, the cookies that are categorized as necessary are stored on your browser as they are essential for the working of basic functionalities of the website. We also use third-party cookies that help us analyze and understand how you use this website. These cookies will be stored in your browser only with your consent. You also have the option to opt-out of these cookies. But opting out of some of these cookies may affect your browsing experience.
Necessary
常に有効
Necessary cookies are absolutely essential for the website to function properly. These cookies ensure basic functionalities and security features of the website, anonymously.
Cookie 期間 説明
cookielawinfo-checkbox-advertisement 1 year Set by the GDPR Cookie Consent plugin, this cookie is used to record the user consent for the cookies in the "Advertisement" category .
cookielawinfo-checkbox-analytics 11 months This cookie is set by GDPR Cookie Consent plugin. The cookie is used to store the user consent for the cookies in the category "Analytics".
cookielawinfo-checkbox-functional 11 months The cookie is set by GDPR cookie consent to record the user consent for the cookies in the category "Functional".
cookielawinfo-checkbox-necessary 11 months This cookie is set by GDPR Cookie Consent plugin. The cookies is used to store the user consent for the cookies in the category "Necessary".
cookielawinfo-checkbox-others 11 months This cookie is set by GDPR Cookie Consent plugin. The cookie is used to store the user consent for the cookies in the category "Other.
cookielawinfo-checkbox-performance 11 months This cookie is set by GDPR Cookie Consent plugin. The cookie is used to store the user consent for the cookies in the category "Performance".
CookieLawInfoConsent 1 year Records the default button state of the corresponding category & the status of CCPA. It works only in coordination with the primary cookie.
viewed_cookie_policy 11 months The cookie is set by the GDPR Cookie Consent plugin and is used to store whether or not user has consented to the use of cookies. It does not store any personal data.
Functional
Functional cookies help to perform certain functionalities like sharing the content of the website on social media platforms, collect feedbacks, and other third-party features.
Performance
Performance cookies are used to understand and analyze the key performance indexes of the website which helps in delivering a better user experience for the visitors.
Cookie 期間 説明
_gat 1 minute This cookie is installed by Google Universal Analytics to restrain request rate and thus limit the collection of data on high traffic sites.
Analytics
Analytical cookies are used to understand how visitors interact with the website. These cookies help provide information on metrics the number of visitors, bounce rate, traffic source, etc.
Cookie 期間 説明
CONSENT 2 years YouTube sets this cookie via embedded youtube-videos and registers anonymous statistical data.
_ga 2 years The _ga cookie, installed by Google Analytics, calculates visitor, session and campaign data and also keeps track of site usage for the site's analytics report. The cookie stores information anonymously and assigns a randomly generated number to recognize unique visitors.
_gid 1 day Installed by Google Analytics, _gid cookie stores information on how visitors use a website, while also creating an analytics report of the website's performance. Some of the data that are collected include the number of visitors, their source, and the pages they visit anonymously.
Advertisement
Advertisement cookies are used to provide visitors with relevant ads and marketing campaigns. These cookies track visitors across websites and collect information to provide customized ads.
Cookie 期間 説明
VISITOR_INFO1_LIVE 5 months 27 days A cookie set by YouTube to measure bandwidth that determines whether the user gets the new or old player interface.
YSC session YSC cookie is set by Youtube and is used to track the views of embedded videos on Youtube pages.
yt-remote-connected-devices never YouTube sets this cookie to store the video preferences of the user using embedded YouTube video.
yt-remote-device-id never YouTube sets this cookie to store the video preferences of the user using embedded YouTube video.
Others
Other uncategorized cookies are those that are being analyzed and have not been classified into a category as yet.
SAVE & ACCEPT
Powered by CookieYes Logo
速報
  • 【重要なお知らせ】読者へのメッセージ 2019年10月29日
∧