江西省のとある県の当局は、礼拝の場を共産党のプロパガンダの中心地に転用している。
昨年、中国南東部、江西 省 上饒 市 の鄱陽 県 にあるキリスト教施設の大半から十字架が取り外された。
2019年1月14日に江西省の 統戦部 の曹国慶(ツァオ・グオキン)副部長が実地調査を行った後、当局は教会に対する取り締まりを強化した。残っていた十字架を一つ残らず取り除くためだ。
古県渡 鎮 の程家三自教会もこの処分を受けた教会の一つだ。まず、当局は教会を老朽化した建物に指定し、取り壊しを命じた。その後、建設中の新しい施設を違法と見なし、建設作業を全て中断させた。その結果、信者たちは礼拝の場を失った。
現地のキリスト教徒は困惑し、「政府は古い教会を取り壊した後、新しい教会を建てることを許可していました。しかし、今になって約束を反故にしました。私たちが集まる場所をなくすために、意図的にこのような行動を取っているのです」と話した。
2月中旬、同じく古県渡鎮の古北三自教堂の敷地が割り当てられている区画からはみ出ているという理由で、鎮の政府は教会の外壁を10メートル以上取り壊した。
鄱陽県の政府職員は「古県渡鎮の住民にキリスト教徒が多いことを省政府が知った後、省政府は県と鎮の政府に対し、キリスト教の拡大を制限するよう命じた。古北三自教堂を放置しておくと、党委員の書記は職を解かれる。上級の当局の方針に逆らう者はいない。古南社区のある神父は政府職員に口答えをしただけで逮捕されていた」と話した。
政府の職員が「教会を各種のプログラムに利用することになる」と告げていたとおり、3月、この教会は文化センターに転用された。文化センターがオープンしてから数日間、中国共産党 の栄光を称える「共産主義」のプロパガンダ映画が上演された。
鄱陽県の謝家灘鎮では、3月20日に当局が家庭教会の福山教堂を閉鎖し、教会内に入ろうとした者は逮捕すると脅した。この教会は数年に渡り許可を申請していたものの、承認されることはなかった。現地の政府職員は教会を村の党委員会に貸し出し、文化センターに転用せよと命じた。教会の指導者が反対した場合は、取り壊されることになった。
2日後、古県渡鎮にある鴛鴦三自教堂の指導者たちにも同様の決断が告げられた。教会を村に売却し、娯楽施設に転用するか、取り壊すかの二者択一を迫られたのだ。
この教会の一部の信者は村の党委員会の事務所の外側に集まり、その他の信者は教会の売却をやめるよう電話で懇願した。政府の役人は職員に対し、電話への応答を禁止し、教会の責任者に無理やり契約書に署名させた。間もなく教会の鍵は取り上げられ、信者たちは礼拝の場を失った。
王勇による報告