河南省の当局が50以上の宗教関連施設に監視装置を強制的に設置し、その映像から、5つの教会が閉鎖された。
Bitter Winterは中国共産党の内部文書「特殊作戦の代表事例集」を入手した。この文書には河南省鶴壁市の浚県で、当局が90万人民元(約1,456万円)近くを監視システムに投じ、53の現地の教会に設置したことが記されていた。これは、より広い範囲で宗教的な活動を監視するための措置であった。
中国政府は、監視業務を通信会社にも頼っている。この文書によると、大手通信会社の中国移動通信と中国聯合通信が「機器の回路の配置と信号伝送の設定に関する支援を提供」したようだ。その意図として、「監視の死角をなくし、キリスト教徒に恐怖を与える」ことでキリスト教の信者を統制することが挙げられていた。
この手の強制的な監視がもたらした効果は大きかった。すでに5つの教会が恒久的に閉鎖されている。他の場所では、数名の信者と聖職者が逮捕されている。
例えば、2018年5月には洛陽市嵩郡にある政府公認の橋北三自愛国教会が、監視カメラの映像により、子供が教会内にいたことが判明し、閉鎖された。教会で働くスタッフがボランティアのため、1歳の孫娘を連れていた様子を監視カメラがとらえていたのだ。改訂後の宗教事務条例により、未成年が教会に入ることは禁じられており、この規則に違反すると教会は閉鎖される。
また、2年前の7月、浙江省の永嘉県にあるカトリック教会で修道女のチョウさんが、説教の内容が原因で逮捕された。政府が導入した監視機器に記録されたチョウさんの説教を当局者は問題視したのだ。説教の内容が「政府が定める制限の範囲」を超えていたと判断され、チョウさんは逮捕された。
2014年、浙江省温嶺市にある教会では、日よけを下ろしたとして、ある女性が嫌がらせを受けた。監視カメラでこの行動を知った警察官が証拠写真をもってこの女性の自宅に現れた。女性は尋問を受け、教会で日よけを使用する行為は違法だと告げられた。
江涛による報告