出典:イタリアからの直接の情報
日付:2018年5月26日
2018年5月22日、イタリアのペル-ジャ裁判所は、全能神教会の女性信者による難民申請を却下した行政委員会の判決を無効とし、この女性を難民と認定した。全能神教会は中国の新宗教運動である。同委員会の判決根拠が、カナダ移民当局の過去の報告書とインターネットで入手可能な国際的メディアから引用した出身国情報(COI)に置いているのに対して、裁判所は直近の学問研究の方が信頼できる情報源であると認めた。
同委員会は、全能神教会は「反家族的」という出身国情報に基づき、母親によって全能神教会に改宗したと報告されている申請者の信用度をマイナス評価していた。裁判所は、この件は出身国情報の例に該当せず、「直近の学術的文献に基づくと、改宗活動が家庭内で行われたのはおかしくない」と理解すべきだとした。裁判所はまた、中国における全能神教会の迫害の事実は証明されていると考えた。というのも、中国刑法第300条では邪教(邪悪なカルト/狂信的教団)とみなされて活動すると犯罪となり、3年から7年、もしくはそれ以上収監されるのだが、全能神教会は1995年以来中国の公式邪教リストの全てに掲載されているからである。
そのため、「申請者が全能神教会の本当の信者かどうか」の情報は必須である。裁判所は、全能神教会のニューヨーク支部が発行した信者証明書が不十分であることは認めたが、「新宗教の専門家」である社会学者のマッシモ・イントロヴィーニャからの「この信者証明書は信頼に足る」という書簡を重視した。
裁判所は、申請者が描いた中国における宗教の自由に関する恐ろしい描写が「中国の状況に関する最新情報と一致している」ことを注記した。裁判所は、「全能神教会は、様々な犯罪(マクドナルドでの女性殺害も該当)に非があるとして中国当局から非難されているが、おそらく全能神教会は全く関係していない。当局からの非難は全能神教会を中傷するためだけに行われた」ともコメントしている。
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