2018年の始めに中国が「暴力団の犯罪を一掃し、悪の源を根絶する」全国的な運動を立ち上げて以来、中国全土の自治体は、組織犯罪と闘う方法と同じ方法で特定の宗教団体を弾圧している。また、その他の方法でも宗教団体は弾圧されている。
先日、河北省石家荘市の自治体は、中国のソーシャルネットワークサイトのWeChatで質問状を投稿した。犯罪者とキリスト教の家庭教会の通報を促すためだった。
当局は積極的に情報を提供した者に見返りとして現金を渡すことで、通報を奨励している。政府の関係筋によると、通報を受けると、警察は情報を確認し、張り込み、または別の追跡方法を用いて、宗教団体の集会の時間を特定し、逮捕に踏み切るという。
福建省莆田市の政府当局者は、「暴力団の犯罪を一掃し、悪の源を根絶する」運動に関するチラシを家庭に配布し、協力を求めた。全能神教会や他の地下の家庭教会、法輪功などがターゲットとして挙げられていた。
8月中旬、山西省運城市と臨汾市の住民から、政府の職員が家を一軒一軒訪ねて、このチラシを配り、さらに、信者と思われる住民の写真を撮り、個人情報を登録していたと報告をもらった。また、この運動に関する特別なCMがテレビで放映された。12点のCMのうち1点は、宗教を信仰する者の取り締まりに明確に言及していた。
また、臨汾市の政府職員はBitter Winterの記者に対して、請願者 と反体制派の逮捕に加え、「暴力団の犯罪を一掃し、悪の源を根絶する」運動の主なターゲットは宗教を信仰する人々だと明かした。全能神教会の信者を通報すると、5,000人民元(約8万2,000円)の報奨金が与えられる。さらに、この職員によると、このような政府の精力的な宣伝活動はまだ始まったばかりであり、間もなく、監視と追跡が行われ、最終的には逮捕と投獄が待っているという。
情報筋によると、河北省の様々な政府部門の職員が5名から10名のグループで村の全ての家を最近訪問しており、調査および容疑者の尋問を行ったようだ。
調査を受けた人々の話では、政府の職員は「最低限の生活支援を受けている」家庭、または、貧しい家庭の状況を確認していると主張していたものの、調査のターゲットは信仰を持つ人々であり、調査用紙には「信仰の状況」を記す欄が設けられていた。
2018年5月17日、報告によると河北省保定市の曲陽郡の14名の書記官が、貧困の緩和と環境保護に関する会議を開いた。会議の終盤で政府高官が全ての村で、道教、仏教、イスラム教、キリスト教を含む、住民の信仰の調査の実施を求める文書を作成した。
河北省、江西省、山西省、福建省に住むキリスト教徒の報告によると、現地の警察がそれぞれの自宅に現れ、捜査を行い、居住者の名前と個人情報について質問したようだ。その際、警察は麻薬常用者、マルチ商法の関係者、宗教を信仰している者が捜査の対象だと述べていた。
林一江による報告