政府は、黒竜江省鶴崗市に位置する40ヶ所を超える国が認可する教会を3月から6月にかけての4ヶ月間で強制的に閉鎖した。
民族宗教事務局の報告によると、中国北部、黒竜江 省 の石炭産出地である双鴨山市では、135ヶ所の活動中の宗教施設のうち、128ヶ所が弾圧を受けたという。
2019年、黒竜江省全域で宗教に対する取り締まりがペースを落とすことなく行われている。ロシアと国境を接する鶴崗 市 も例外ではない。現地の 統戦部 によると、同市では3堂の 三自教会 のみが活動の継続を許され、残りの施設は全て閉鎖に追い込まれたという。
鶴崗市南山 区 の三自教会の牧師は「あまりにも早い幕切れです。6月9日、政府がこの地区の無認可の集会所を一斉に閉鎖しました。政府公認の三自教会さえも困難な未来に直面しています」とBitter Winterに伝えた。
興安区の100人以上の信者を抱える三自教会の「福音堂」は今年のはじめ、政府から3月27日までに閉鎖するようにとの通知を受けていた。
この教会の信者は「全ての集会所は、政府が指定した日付の前に閉鎖することに同意する契約書に署名しなければなりませんでした。署名しない集会所は強制的に閉鎖されます。指定された日付以降も集会を行っている場合、聖職者と信者に罰金が科され、拘留されます」と話した。
その他の地域のように、「近所迷惑」や「学校に近過ぎる」等の様々なでっち上げの口実により、集会施設が閉鎖に追い込まれている。複数の三自教会の支局は法的な認可を受けていたものの、政府は登録された住所が実際の住所と違うと指摘し、閉鎖した。牧師は住所変更を申請したものの、政府は申請を認めなかった。
現地の牧師は「これは全国的な傾向です。キリスト教徒であれ、仏教徒であれ、カトリック教徒であれ、全ての宗教が同様の運命に直面しています。政府に何かしらの容疑をかけられると、有罪と見なされます。政府の職員は、私が「横柄」な態度を取るなら、つまり政府に協力しないなら私を逮捕し、拘留すると脅しました」と述べた。
Bitter Winterが現地の信者たちに、共産党がキリスト教を恐れる理由を問うと、ある 家庭教会 の牧師は、信者の多くは70代や80代の高齢者であり、政府の転覆を望む集団と見なすことは不可能だと指摘した。「彼らがどのように政府を妨害すると言うのでしょうか?」と牧師は問い掛け、さらに「イエスが誕生したとき、ヘロデ王はイエスが権力を握ることを恐れ、2歳以下の子供たちを全員殺害しました。自分の王位を守るためです。現在も同じことが起きています。中国共産党 は、人々が立ち上がり、政権を転覆するのではないかと恐れ、「非行集団による犯罪を撲滅し、悪を根絶する」という名目の下、私たちを弾圧し、神の信仰を禁止しているのです」と続けた。
現地の信者は閉鎖に関して「キリスト教徒は政府に反対していませんが、共産党は唯一の支配者になることを望むため、キリスト教徒を弾圧しています。これが党の考え方です。主は偉大であり、中国共産党は主の後釜に座り、党の命令に背くことを禁止しているのです」と語った。
ある家庭教会の信者は「私たちは最後の集会を6月16日に執り行いました。多くの信者が泣いていました」と話し、さらに「脳性麻痺を患う息子と共に集会に参加していた信者は、感情を抑えきれずに泣いていました。教会はこの女性にとって家のような存在でした。家を失う気持ちがどのようなものか想像できますか?」と加えた。
鶴崗市の状況は、黒竜江省で行われている信教の取り締まりの氷山の一角でしかない。同省の牡丹江市、東寧市、ハルビン市、尚志市の複数の集会施設も当局により閉鎖に追い込まれたという報告が届いている。
周華による報告