今年8月、河南省当局は「目に見えない布教」を阻止するため、数百ヵ所の教会の十字架を撤去した。このうち大多数は政府が管轄している三自教会(三自愛国教会)であった。
Bitter Winterは、河南省の特別行動事務局(專項行動弁公室)が今年7月に通達した内部資料を入手した。この内部資料には、高く掲げられている十字架には目に見えない布教効果があると強調されている。
この資料では、こうした布教効果を抑えるため、政府は思想的施策を行い、ト教会側に十字架を自発的に撤去してもらうとしている。しかし、実際には、当局は政策を実施するに際し、強制的措置を講じて、十字架を無理やり撤去した。
8月、河南省の少なくとも5都市の600ヵ所以上の教会の十字架が撤去された。汝陽市だけで76ヵ所の教会の十字架が4日以内にすべて強制撤去され、残りの2ヵ所の教会は高齢者活動センターに変えられた。また永城市、商丘市の両都市でも少なくとも50ヵ所の教会の十字架が強制的に撤去された。
2018年8月23日、鄭州市の三自教会の十字架が当局により強制撤去された。当局は政府職員を派遣し、教会屋根の十字架を機械で切断させた。そのとき、十字架が突然燃え始めたため、信徒がすぐに写真に収めようとしたところ、政府職員から写真をインターネットにアップするのは違法だと威嚇されたという。
8月26日、済源市天壇路と周園路の交差点の西関三自教会の十字架3本がすべて当局に強制撤去された。8月28日には洛陽市新安県にある政府管轄下の教会の十字架も撤去された。
当局による公然としたキリスト教への迫害行為に対し、洛陽市欒川県の信徒は憤りを感じ、現地の統一戦線工作部に連名で抗議文を提出した。
抗議文では、当局がキリスト教の十字架を強制撤去するのは違法行為であるとし、人々の信教の自由を制限するものだと強調した。また信仰を持つ人々を見下す無礼な行為であり、市民と政府の対立を深刻に煽ったと綴られていた。
しかし、連名での抗議文には効果がなく、政府はキリスト教徒の抗議を完全に黙殺した。その後、4日も経たないうちに、欒川県内では、同県最大の城関教会を含む27ヵ所の教会の十字架が強制撤去された。
現地職員によると、十字架の撤去は国家政策であり、どんな検討の余地もないという。そして教会が十字架を撤去する責任を負わない場合、教会を閉鎖するとしている。またこの職員は、教会が外から来た信徒に見つからないよう、十字架をすべて撤去しなければならないと強調している。
江涛による報告