FOREF(Forum for Religious Freedom Europe、宗教の自由フォーラム欧州)が制作した、韓国在住の全能神教会の信者の難民に対する弾圧を糾弾する動画は、同団体が配信するメディアの中で最も多くの再生回数を獲得した。しかし、(紅い手というよりも)暗闇の手により、これらの動画へのアクセスが削除されていた。
マッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)
2019年7月31日、Bitter Winterの英語サイトは賈志剛(チャ・チガン)氏が作成した記事を投稿した。賈氏は中国で有名な俳優だったが、全能神教会 に改宗した後、迫害を受け、中国から逃げなければならず、現在は韓国で生活している。この記事により大勢の読者が賈志剛をGoogleで検索していた。その結果、大勢の人々が、2018年に賈氏がオーストリア人のジャーナリストのピーター・ツォラー(Peter Zoehrer)氏の取材を受け、FOREF(Forum for Religious Freedom Europe、宗教の自由フォーラム欧州)のウェブサイトで配信されている動画を見つけた。FOREFは世界的に有名な 人権 活動家のアーロン・ローズ(Aaron Rhodes)博士が理事長を務めるNGOである。
中国共産党 及び同党の支持者である韓国人の呉明玉(オ・ミュンオ)氏が計画した全能神教会の信者の難民に対する2018年のやらせの「自発的な抗議活動」が行われた時期、ツォラー氏は偶然にもソウルで会議に参加していた(全能神教会の信者たちは神の意思だと言うはずだ)。この抗議活動は2019年7月22日から24日にかけて再び行われ、失敗に終わっていた。
ツォラー氏は2018年のやらせの抗議活動を記録し、全能神教会の信者の難民が中国で受けた勾留と拷問、そして、韓国で受けた嫌がらせを14本の動画にまとめた。これらの動画はFOREFにおいて最も多くの注目を集めたメディア作品となり、5万6,000人以上の視聴者がダウンロードまたは視聴した。
ここ数日間、ハッカーがFOREFのYouTubeチャンネルを攻撃し、2018年のやらせの抗議活動に関する動画1本と韓国在住の全能神教会の信者の難民のインタビュー動画7本の動画へのアクセスを削除した。そのうちの1本は俳優の賈志剛氏のインタビュー動画であった。
現在は再び動画にアクセスできるが、今回の攻撃は、中国共産党及びその手先が真実をひどく恐れていることを裏づけるものだ。ソ連の反体制派のアレクサンドル・ソルジェニーツィン(Aleksandr Solzhenitsyn)氏(1918-2008年)がかつて述べていたように、共産主義諸国では「嘘は道徳の範疇ではなく、国の柱となった」と言える。