地方当局の役人が除幕式に出席してから8年後、同じ当局が道教の老子像は承認されておらず、撤去しなければならないと伝えてきた。
中国共産党 は、中国中部河南 省 洛陽 市 のある地方政府に、世界一高い老子の銅像を覆い隠すよう命じた。老子は 道教 の父、そして道教および中国の伝統的宗教の神であると考えられている。
老君山の道教文化遺産地域に立つ老子像は38メートルあり、360トンの錫と青銅の合金で鋳造され、約3億5000万元(約56億円)の施工費がかけられた。老君山は、景区として獲得できる最高ランクの国家5A級景区に指定されてきた。2014年2月、この老子の銅像は、ギネス世界記録において「世界で最も高い老子の銅像」に認定された。
2018年10月に像を覆う命令が下される前、中央監督・検査チームは栾川県を訪れ、検査を行った。当局は、老君山の老子像は国務院の宗教事務行政部門から承認を受けておらず、「違法な建造物」だと指摘した。
査察官は、承認を受けるまでは老子像の公開は不可能だと発表した。査察官はまた、老君山観光風景区の責任者に老子像を隠すように命じ、そうしなければ破壊すると脅した。
地元の信奉者たちは、老君山老子文化苑が2010年5月に銅像の除幕式を行ったと伝えた。その公式の除幕式では、河南省観光局と洛陽市政府の当局が式を主催した。当局はかつては祝福しているように見えたが、今では承認が得られていないという理由で破壊すると脅している。
老子に対する尊敬の念から、責任者は像を隠すことを拒んだが、省の統一戦線工作部(統戦部)の役人は責任者を脅し、「老子像を隠さなければ老君山全体が封鎖されることになる」と言って脅した。
10月11日、観光地の担当者は仕方なく老子像を黄色い布で覆った。しかし、数日と経たないうちに、布は強風によって吹き飛ばされ、像が再び露出してしまった。
省政府当局者はこのことを知り、再び像を隠せと要求した。今回上手く覆うことができなければ栾川 県 の党書記を解任すると脅した。
この脅迫により、党書記は行動しなければならない立場に追い込まれた。12月18日、党書記が見守る中、労働者は熱気球を使って像の頭上に黄色い布を持ち上げた。布は像の上に下ろされてしっかりと包み込まれ、再び吹き飛ばされないようにされた。このようにして、世界一高い老子像の二度目の隠蔽が行われた。
動画: 老君山老子文化苑の老子像は、熱気球で持ち上げられた黄色い布で覆われた。
ある筋によると、老子像が封印される前、老君山観光風景区の担当者は、像が承認されていなかったとの理由で、栾川県政府と洛陽市の統戦部から約500万元(約8千万円)の罰金を受けていた。
近くの老君山老子文化苑の他の建物も国から迫害を受けている。10月上旬、栾川県の 統一戦線 工作部の役人が検査を実施するために到着したとき、文化苑内の香炉にお香が焚かれているのを見た。検査官は直ちにお香を焚くことを禁止するよう命令した。当局はまた、文化苑へのすべての入り口を封鎖するよう要求した。担当者は、老君山老子文化苑の「楽妙門」と「得一門」を封鎖するために、横断幕とバリケードテープを使用するよう強制された。横断幕には「修繕区域、観光客立入り禁止」と大きく書かれている。
BitterWinterは10月、河南省の信陽市の老子像が、「違法な建造物」であるという理由で当局によって取り壊されたことを報じた。これら3つの事件は、互いに密接に関係している。道教の信仰が差別的な扱いを受けていることを強く示唆するものである。
王一馳による報告