中国遼寧省で全能神教会の信者である女子大学生が信仰を理由に逮捕され、その後、強制的に退学させられました。
2018年6月27日、遼寧省錦州市の5名の警官が大学の教室に突入し、学生である趙婷婷(チャン・ティンティン)(仮名)さんを逮捕しました。趙さんの携帯電話と教科書をその場で押収した後、家宅捜索のため学生寮まで連れて行き、室内を撮影しました。警察はMP5プレイヤー1台とメモリーカード2個を押収し、尋問のために趙さんを警察署まで連行していきました。
警察は、全能神教会の信者となった年、教会の仲間、メモリーカードやMP5プレイヤーのコンテンツの入手先について尋問しました。尋問により成果を得ることができなかったため、警察は趙さんの指紋を取り、調書に「邪教(異端宗教)を利用して社会に害を及ぼした」と記録し、地元の拘置所に移送しました。政府は中国のキリスト教系新興宗教団体全能神教会を「邪教」集団(「カルト」という翻訳は誤り)と登録しています。中国刑法第300条は、「邪教」集団への参加は、すなわち逮捕、勾留、拘禁につながる犯罪と定めています。
趙婷婷さんは、警察から長い間監視されていたこと、彼女が参加していた集会場所も監視下にあったことを聞かされました。その集会に参加していた他の信者も逮捕されており、その内の1人は趙さんと集会に参加していた大学生でした。
2018年7月7日、趙婷婷さんは釈放されました。彼女は学業の継続を希望していましたが、錦州市公安局は大学の学長に、趙さんが二度と神を信じないよう「後悔の念」「教会と断絶するとの明言」「誓約書」という3つの書面に署名しなくては復学を許してはならないと圧力をかけていました。趙信仰を諦めたくなかったため、強制退学となりました。
中国共産党政府が、中国のキリスト教系新興宗教団体呼喊派(Shouters、欧米では「Local Church(ローカル・チャーチ)」として知られている)および全能神教会を対象とした、学校周辺の集会所の一斉検挙を命じた極秘文書を作成したことが報告されています。この文書には、「学校周辺に公安部隊を集結させ、若者を標的としている学校周辺の改宗のため場所、集会場所、「働き-勉強」場所のコントロールの強化および包括的な捜査を行うこと。責任者、規模、場所、活動内容に関する情報を収集し、法律に従い、徹底的にこれらを排除すること。小中学校、高等学校および大学は、学校周辺で行われている「邪教」活動に関する情報を積極的に報告し、その取り締まりおよび風紀是正を行う公安局に協力しなければならない」と記載されています。
朴俊英による報告