中国では当局が地元の無法者を雇い、命令を実行させることは珍しくはない。江西省の事例では、女性が死亡している。
2017年5月、江西省馬当町の職員たちが、村の土地を購入しようとした。安値で買いたたき、商業開発業者に高く売りつけて差額を自分の懐に入れることが目的だった。
しかし、躍進村の住民が土地の売却を拒み続けたため、町長は武装した人員を送り込み、地元の無法者を雇うことにした。12月30日、村に現れた一団は掘削機で村の土地を掘り始めた。すると40名以上の村民がこの違法行為に対して抗議を行った。
警察官と無法者の一団はすぐに暴力で村民を怯えさせた。一部の村民は車に押し込まれ、数名の高齢者は地面に叩きつけられていた。また、口から泡を吐くまで殴打される者もいた。
この村に住む女性、朱学成(ジュ・シュエチェン)さんは土地を守ろうとして説明を求めたところ、無法者たちが朱さんを担ぎ上げ、ブルドーザーに投げつけた。朱さんはすぐに病院に搬送されたものの、4日後に息を引き取った。現地の自治体は、問題解決のため、朱さんの家族に8万人民元(約131万円)の賠償金を提示したものの、家族はこの申し出を断った。また、町長は朱さんの娘に手をあげたと言われており、村民の怒りを買った。
中国では、政府の当局者が税金を用いて、組織犯罪を助長することがある。Bitter Winterでは過去にも同じような事件を報じた。この事件では、農地を手に入れるために、無法者が雇われていた。また、教会の取り壊しや破壊のために無法者に報酬が支払われたこともあった。
林一江による報告